政府がどれだけ音頭を取っても進まなかった働き方改革が、コロナ禍で一気に進もうとしています。それも、改善レベルではなく、富士通やカルビーといった大企業が「通勤という概念をなくす」「在宅勤務を恒常化する」「単身赴任の取りやめ」などの取り組みをみると、これまでとはまったく違う働き方になっていくことを予感させます。

なかなか動こうとしない中小企業。

そうした大企業の動きとは裏腹に、上の図を見てわかるようにテレワークひとつを例にとっても、中小企業(図の1000万円〜3000万円未満に注目)は、なかなか柔軟な動きが取れていない状況にあるようです。

さらにテレワークをしない理由を見ても、出来の悪い社員が並べるやらない理由(言い訳)のようなものばかりです。リソース不足でやりたくてもできないのではなく、単に“やる気がない”ようにさえ感じてしまいます。

変化を避けて現状維持を望む人から承諾を得るために。

社員数十名の中小企業の場合、ネックになっているのが経営陣を初めとしたベテラン層ではないでしょうか。慣れ親しんだ「やり方を変えることは面倒でしかない」と考える分厚い壁を崩していくには、業務改善をすべき理由やメリットといった“正論”を訴えてもビクともしません。それよりも、実際に業務に支障が出ていることに対して個別に具体的な解決策を提示していく方が効果的です。

例えば、

社長や上司のスケジュールが分からないので、問い合わせに即対応できず、お客様を苛つかせてしまっている。だからスケジュール共有をしてほしい。そのための便利なツールもある。

とか、

お客様の情報が会社に行かないとわからない状況では、コロナ禍の環境では仕事にならない。安価で評判もいいクラウドシステムがあるので情報の共有からはじめたい。まずは、顧客情報からデータベース化するのがいいと思う。

など、身近なことから攻めいていってみてはいかがでしょうか。「それくらいならやらせてみてもいいか」と思わせることができたら、一つずつ確実に改題を解決していくことで、次の改善策にもつなげていくことができます。

まずは、分厚い壁に小さな穴を開けるために、比較的簡単に改善効果が見込めるポイントを見つけること。それをWEBシステムやツールを使って効率的に改善する道筋をつくること。

周りの会社がどんどん変化していく中、旧態依然とした会社に危機感を覚えている人は、ここからはじめてみてください。