Google Workspaceには、現場で働くスタッフ向けの「Frontline(フロントライン)」というエディションがあります。製造業や小売業など、現場スタッフが多い会社では、「全社員分の契約はコスト面でハードルが高い」というご相談をよくいただきます。
この記事では、Google Workspace Frontlineの対象者、Businessエディションとの違い、他のエディションとの併用条件、導入の流れと注意点を整理します。
Google Workspace Frontlineとは
Google Workspace公式ヘルプによると、Frontlineはフロントラインワーカー(現場スタッフ)向けに設計されたエディションです。Starter・Standard・Plusの3種類があり、ユーザー数に制限がなく、1ユーザーあたり5GBのストレージが付きます。
従業員全般を対象とするBusinessエディションとは別に用意された、現場スタッフ専用のエディションです。
Frontlineの対象になる「現場スタッフ」
公式ヘルプの資格要件では、現場スタッフを次のように定義しています。
- 顧客への対応や販売、製品やサービスの製造・配送に、直接携わっている
- シフト中などに端末を共有している、または、固定席を持たず主にモバイル端末を使っている
- Google Workspaceでコンテンツを作ることは少なく、主に確認や利用をしている
公式ヘルプに挙げられている例は、次のとおりです。
- 製造業の組み立て作業員
- レストラン・接客業・小売業のスタッフ
- 農業・漁業・林業の従事者
- 建設作業員、主に屋外で作業するスタッフ
- コールセンターや交通機関のオペレーター
Businessエディションとの違い
| 項目 | Business(Starter・Standard・Plus) | Frontline |
|---|---|---|
| 対象 | 従業員全般 | 現場スタッフに限定 |
| ユーザー数 | 1〜300ユーザー | 制限なし |
| ストレージ(ユーザーあたり) | Starter 30GB/Standard 2TB/Plus 5TB | 5GB |
| 申し込み方法 | 公式サイトや管理コンソールから申し込める | Googleの営業担当者またはパートナー経由 |
| 料金 | 公式ページで公開 | 公開されていない(Googleまたは販売パートナーに問い合わせ) |
出典:Google Workspace サブスクリプションの変更、Frontline エディション、Google Workspace Frontline公式ページ
Frontlineの3つのエディションの違い
| エディション | 主な内容 |
|---|---|
| Frontline Starter | ビジネス用メール・Chat・Meet(100人まで参加)・カレンダー・ドライブでの共同編集・Googleサイト・AppSheet Core・Geminiアプリなど。高度なエンドポイント管理も含む |
| Frontline Standard | Starterの機能に加え、データ損失防止(DLP)・Google Vault・コンテキストアウェアアクセス・企業向けの端末管理などを追加 |
| Frontline Plus | Standardの機能に加え、Gmail・Chat・MeetのGemini機能、共有ドライブ、クライアントサイド暗号化、データリージョンなどを追加 |
情報漏えい対策や端末管理を強めたい場合はStandard以上、現場でもGeminiや共有ドライブを使いたい場合はPlusが選択肢になります。
他のエディションと併用できる。ただし「新規追加」のみ
Frontlineは、Business Standardなど他のエディションと、同じ組織の中で併用できます。複数のエディションを組み合わせる契約は、公式ヘルプのとおり、Googleの営業担当者またはパートナーを通じて行います。
既存ライセンスを減らして置き換えることはできない
| パターン | 構成の例 | 可否 |
|---|---|---|
| 置き換え(リプレイス) | Business Standardを100IDから80IDに減らし、Frontlineを20ID追加する | 不可 |
| 純増(新規追加) | Business Standardを100IDのまま維持し、Frontlineを20ID追加する | 可 |
ただし、契約更新のタイミングであれば、Business Standardを減らすことは可能です。すでにBusinessを契約している会社が、現場スタッフ分をFrontlineに切り替えたい場合は、まずFrontlineを追加し、更新のタイミングでBusinessを減らすという順番になります。
なお、年間プランでライセンス数を減らせるのは、契約の更新時のみです(公式ヘルプ)。契約中のプランの種類や更新日は、先に確認しておいてください。

導入までの流れ:Googleへの申請と承認
Frontlineは、管理コンソールから自分で申し込むエディションではありません。現場スタッフに限定されたエディションのため、契約にあたってGoogleによる事前審査が必要です。流れは次のとおりです。

まず、販売パートナーである当社から、Google側へ案件を登録します。
その後、Googleの担当者と交渉しながら、申請を進めます。
Google側で承認が下りた場合に、正式にライセンスを発注します。
承認の要件には、たとえば次のようなものがあります。
- 最低発注数の条件(50ID以上など)
- 年間契約であること、そして現場スタッフの資格要件に合致していること
- Googleから示されるオファーに、有効期限が設けられている場合があること
これらは案件ごとに確認が必要なため、事前にご相談ください。また、承認されなかった場合、その理由は非公開です。
料金は公開されていないため、見積りはGoogleまたは販売パートナーへの問い合わせが必要です。承認の見通しや条件は案件の内容によって異なります。早めにご相談ください。
契約後に押さえておきたい2つの注意点
更新日は、メインのエディションとは別になる
すでにメインのエディション(Business Standardなど)を契約している場合、Frontlineの契約を始めると、Frontlineの更新日はメインのエディションとは別になります。更新日が2つに分かれるため、それぞれの更新時期を管理しておく必要があります。
公式ヘルプでも、年間プランの更新日は、エディションの購入日に応じて異なると案内されています。
5GBがいっぱいになったら、メインのエディションへの移行が必要
Frontlineの容量は1ユーザーあたり5GBと小さいため、容量がいっぱいになった場合は、メインのエディションへの移行(アップグレード)が必要になります。
公式ヘルプでも、Frontlineを取得した後に別のエディションへアップグレードできると案内されています。
導入前に確認しておきたい4つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 対象者を1人ずつ整理する | 職務・端末の使い方・コンテンツを作る量の3点で、現場スタッフの要件を満たすかを確認しておく |
| 承認されない場合の代替案を用意する | 承認が下りない場合や、最低発注数・年間契約などの条件を満たせない場合に備え、Business系のエディションで必要な人数を契約する案も考えておく。不承認の理由は非公開のため、あらかじめ備えておく |
| 追加と置き換えの違いを押さえる | 既存ライセンスを減らしての置き換えはできない。減らせるのは更新のタイミング |
| 5GBを前提に、保存場所を決める | 現場の写真や動画を個人の容量にためない運用を、あらかじめ決めておく |
実際のご相談事例
岐阜県の製造業のお客様から、「社員全員分の契約が必要なのか」というご相談をいただき、必要なライセンスを整理したところ、Business Standardが33名、Frontlineが46名の合計79名分でした。詳しい経緯は、以下の記事で紹介しています。

Frontlineのご相談は、当社へ
私たちちらし屋ドットコムでは、Frontlineの取り扱いが可能です。Googleへの案件登録と申請も、当社から行います。
「現場スタッフ分の費用が負担になっている」「Frontlineの対象になるか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。対象者の整理から、承認の見通し、最低オーダー数の確認まで、あわせてサポートします。
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よくある質問
まとめ
Google Workspace Frontlineは、現場スタッフ向けのエディションです。他のエディションと併用できますが、新規追加のみで、既存ライセンスを減らしての置き換えはできません。契約にはGoogleによる事前審査が必要で、承認が下りない場合もあります。
対象になる人の整理、承認されない場合の代替案、最低オーダー数の確認まで、早めに進めておくと安心です。Frontlineの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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